歯の教室

歯を白くするホワイトニングの現在

 アメリカでは、歯並びが綺麗で歯が白くないと生活レベルや社会的ランクが低くみられる風潮があります。そのため、経済的に豊かな家庭では子供の矯正治療は当たり前で矯正治療していることがステータスの高さを示す表現の一つになっています。また、歯の白さを維持するために歯科に通い続けている人が多いと聞きます。歯を白くする治療を英語の表現でホワイトニングと言います。日本語では漂白になるでしょう。ホワイトニングは1990年代に日本に導入されました。ホワイトニング効果を維持するためには、タバコはもちろん、コーヒー、ココア、チョコレート、紅茶、緑茶、ルイボスティー、赤ワイン、カレーなどの着色しやすいものは避けることが必要になります。その他、日常的に食べている緑黄色野菜や果物も歯の着色に影響するようです。歯科治療費が高額なアメリカでは、歯科にかからないために着色しやすい飲食物を避けている人もいるようです。また、歯の白さを保つためには、自分で行う漂白(ホーム・ブリーチング(ホワイトニング))と歯科医院で行うクリーニングが定期的に必要であり、そのための維持費を一生払い続けなければなりません。美容にはお金がかかりますね。

 ホワイトニングは、各国の大学の研究により歯と身体への安全性は確認されているようです。しかし、よくあることですが、研究者の話を鵜呑みにするわけにはいきません。漂白剤で歯を白くするわけですから歯に全く害がないわけがありません。歯の表面を生理的に覆っている層(ペリクル)を剥ぎ取って歯の中まで漂白効果を期待するため、歯に全くダメージがないとは言えないでしょう。ただし、現在のホワイトニング用漂白剤は歯へのダメージが少ないように改良されています。また、歯科医院で漂白剤と強い光を利用して行う方法(オフィス・ブリーチング(ホワイトニング))は、漂白効果がてきめんですが、術後の歯がしみる痛みは辛いものがあります。つまり、少なくとも歯には良いものではありません。

 黄色人種である日本人は、白人ほど肌が白くありません。最近の日本の若者は日焼けを避けてシミのない美白を求めて努力しているようですが、白人の肌のようにはなりません。そんな日本人が真っ白な歯になったら、顔の中で歯だけが浮き出たように強調され、非常に不自然なイメージを与えてしまいます。テレビで見る歯が真っ白なタレントや俳優をどう感じますか? カッコいい、きれい、かわいい、と感じる方はアメリカ的感覚なのでしょう。私には美しさを感じませんし、むしろ不自然で品の無ささえ感じてしまいます。日本人でも、もともと天然歯が平均より白い人がいます。そういう方は、肌の色も白く、顔つきや全体の感じも白い歯にマッチしているように感じます。つまり、歯が白くてもパッと見たときに白い歯が強調されて目に入ってこなければ、その人に合った歯の白さと言うことになるのではないでしょうか。

 誰もが歯が黄ばんでいるよりは自然な白い歯を求めるのは当然なことです。自分に合った自然な白い歯は、相手に清潔な好印象を与えるでしょう。ただ、やりすぎには注意しましょう。

 ホワイトニングは、どこの歯科医院でも簡単にできる治療です。もちろん、当院でもホワイトニングを行っております。ただし、私からホワイトニングを勧めることは滅多にございません。審美的要求が高い患者さんには、天然歯と人工歯の色の白さを合わせるために一番害の少ない方法を勧めることがあります。ホワイトニングを希望される患者さんには、まず初めに患者さんに自分の歯の本当の色を見ていただくために、器械を使い歯のクリーニングを行い歯の表面の着色を取ります。それで満足できる方は、ホワイトニングする必要がないことを説明します。自分の本来の歯の色が分かった上でホワイトニングを希望する方は、歯に対する影響を理解していただいた上で、マウスピースと漂白剤を使った自分で行うホーム・ホワイトニングをお勧めしています。なぜなら、ホーム・ホワイトニングの方が、オフィス・ホワイトニングより歯の色の後戻り現象が少ないため漂白効果が長く、術後の歯のしみる痛みも少ないからです。また、日頃の歯のホワイトニングケアは、歯のステイン(着色)を浮かして取るという薬剤(ピロリン酸ナトリウム)配合の歯磨きペーストを使った毎日のブラッシングが良いでしょう。そして、できるだけ3か月に1度の歯科定期健診を受けましょう!

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